さて前回は、「一目均衡表:三役好転」システム開発中致命的な既存プログラム・ミスを発見し、意気消沈したけど、サイジングポリシーは決った話までしました。今回はこのシステムを修正し、サイジングロジックを組み込んでいく様子を書いてみたいと思います。
前回、トレーリングで今まで有効だと思ってた手法がどれも効果が無く、
今までの検証を通じて思った事。
もはや、手仕舞い観点だけの検証結果にこだわる必要はない!
ふるいにかけた程度に思えばいい!!
だから、個々の手仕舞い手法の組合せ評価に意味は無い!
やっぱ、仕掛けと手仕舞いの相性があるんや。
例えば、ポジション保有バー数が、仕掛けと手仕舞いで根本的に違っていたら
チグハグなシステムになってしまう。
そして、結局使えそうなアイデアのレパートリーが少ない現状。
もうちょっとアイデア何か無いか探して購入した書籍。
「究極のトレーディングガイド」 5,040円。。。。 もう安く感じてきた。。
そして、読書感想
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著者はシステムトレードの世界で有名な方らしいのですが、本で紹介されているトレードアイデアは、裁量トレード向きなモノも多い。で、後半からはシステムトレードネタ。
○前半の内容
セットアップ、エリオット波動、バーチャート、
チャネルとトレンドライン、スィングトレード、パターン
等のトレードアイデア集。
○ドラモンド・ジオメトリーとPLドット
突如現る新しい考え方。
計算はいたって簡単で、前日まで3日間の「(高値+安値+終値)÷3」を平均した価格を
当日のPLドットとしてプロット。
面白いのは、そのPLドットの推移とバーチャート(ローソク足)との関係性から
将来を予測しようとする点。
○バックテストの評価
・堅牢なパラメータの選択
・定期的な最適化は有効か
定期的な最適化について、検証結果から否定。
→これは「アルゴリズムトレーディング入門」の著者ロバート・パルドとは
意見が異なる箇所。
→「ダイナミック・チャネル・ブレイクアウト」という概念を紹介。
様は、知られたチャネルブレイクアウトに使われる日数をボラティリティの
変化を元に動的に変化させていくという考え方。
・ポートフォリオのパフォーマンス評価
複数市場で同時にトレードできないようなシステムはNG.
なので、ポートフォリオ分析が不可欠。
→これは非常に納得。ふむふむ。
○マネーマネジメント
・この分野での「リスク」とは、資金残高曲線の変動を表す収益の標準偏差らしい。
#だから、シャープレシオが評価でよく使われるのね。
・リスク・オブ・ルーイン
要は破産の確率の事。計算式ものってた。
○ポートフォリオについて
当初資金レベルに応じて、ポートフォリオが例示されている。
これがかなり参考に!!
ここでだいぶ考え方が変わりました。
でも、複数システム+複数市場でシステムを組もうとすると、5万ドル必要だって。
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そして、話を戻して。
過去の手仕舞い手法の組合せにこだわらず、いろいろと手仕舞い手法を検証。
過去購入した書籍も改めて読み返してみた。
すると、いろいろなアイデアもいくつか。
結局、システム化ができて、使って有効そうだったのは以下の手法
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・デブストップによるストップロス価格算定 「新版 魔術師たちの心理学」
・効率レシオによる手仕舞い 「新版 魔術師たちの心理学」
・PLドットによるフィルタ 「究極のトレーディングガイド」
・ノンオーバーラッピング・バー 「究極のトレーディングガイド」
・スィング・インデックスによるトレーリング手法
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そして、ついにサイジングロジックも作成!!
ForexTester2の資金はUS$。そして様々な通貨ペア。
ロジック作るのに苦労しました。それでできたのが以前の記事。
そして、いろいろなサイジングロジックを試してみた。
以下主要なものの抜粋
※初期資金残高は5万$で評価。
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0. 最小数(0.1ロット)固定
→ PF平均:0.94
1. 初期金額の2%÷初期リスク(1R)で、最低0.1ロット
→ PF平均:0.99
2. 発注時残高÷初期リスク(1R)で、最低0.1ロット
→ PF平均:0.98
3. 上記「0.2」の計算結果を超えない範囲で、ADXR÷20した値
→PF平均:1.00
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その後またしても、プログラム・ミスを発見。「機能検証」は大切に。。。
でも、サイジング方式次第でPF平均が結構変わる事にオドロキ!!
固定ロット数サイジングでの評価って意味無いんちゃうか??
そしてサイジングプログラムミス修正後の売買ルール。
【売買ルール】
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・発注
一目均衡表の三役好転
現在のAsk/Bidから0.04%のマージンを付けて逆指値で発注
・フィルタ
(ロングポジションの場合)日足PLドットが下落しており、前日/前々日で
終値がPLドットの下で、PLドットが高値/安値のレンジ内であれば発注しない。
ただし、条件を満たし次第発注
・ストップロス
基準線から、デブストップ(7期間の1.1σ)×2のマージン
・決済指値
3R(初期リスクの3倍の価格)
・トレーリング
SwingIndexのASIが3バーで15ポイント下落しており、
ノンオーバーラッピング・バーであれば、過去6バーの高値/安値にストップを移動
※本来SwingIndexは値幅制限値を元に計算するが、FXには値幅制限値が無い。
なので、前バー終値の5%を値幅制限値として計算した。
・自発的手仕舞い
18期間スローストキャスティクスによる高値/安値圏入り後の3回ダイバージェンス
効率レシオが12期間で0.8超過後、ボリンジャーバンドの反対側の2σが順行
以下の全ての条件が満たされた場合
・転換線と基準線が逆クロス
・遅行線の逆転
・終値が雲入り
・サイジング
「発注時残高2%÷初期リスク」を超えない範囲で、ADXR÷20した値
ただし、0.1ロット未満になった場合は、0.1ロット
・その他
初期資金:5万$
主な時間足:4H足
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●検証結果(2001年)
PF平均:1.03 、 期待値平均:-00.31(US$)
●検証結果(2005年)
PF平均:1.12 、 期待値平均:+16.61(US$)
●検証結果(2009年)
PF平均:0.97 、 期待値平均:-23.37(US$)
うーん。まぁまぁ。。。
でも、サイジングロジックいれたので、戦略に必要な要素は全て入った!
今までもそうやったが、
工程を先に進めることで視野が広がってきた気がする。
前へ進むんや!!
という事で以前の記事の開発手順に従い、多市場多期間検証をしよう!!
そして、「FXシステムトレード初心者奮闘記」の複数通貨ペア評価時代は終わり、ドキドキしながら「多市場多期間検証時代」へと進むのでした。
※ちなみに、この「一目均衡表:三役好転」システム、2つの記事で終わらせてますが、
ここまでで、2ヶ月かかってます。。今数えたら、このシステムだけでも、ここまでで350パターンぐらい検証してた。。
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