2011/02/01

FX売買システム開発・多市場検証時代 - 仕掛けと手仕舞いの結合(一目均衡表:三役好転)開発・心理面への影響とサイジング



さて前回は、基準線の向き変化システム」を捨てたところまで話しました。
(まだプログラム・ミスに気づいてませんが。。。)
今回は「一目均衡表:三役好転」システム開発の様子を書きたいと思います。

今回の「一目均衡表:三役好転」は、仕掛けの検証でも成績がよく、元々一目均衡表で体が侵されている事もあり、気合の入った肝いりのシステム。

がんばるぞ!!

検証計画は前回と同じ。
対象も同じで、11通貨ペア、2001年/2005年/2009年で、4H足が主軸

●ドテン検証結果
 PF平均:0.70 、期待値平均:-25.0(US$)

次は、仕掛けに応じた手仕舞いの評価。一番良かったのはコレ
【手仕舞いルール】
-----------------
以下の全ての条件が満たされた時に手仕舞いする
・転換線と基準線が逆クロス
・遅行線の逆転
・終値が雲入り
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●検証結果
 PF平均:0.77 、期待値平均:-15.43(US$)

さて、次はトレーリング方式の検証。

まいった!!
手持ちのトレーリング手法でいいのが無い!!

うーん。。。。
そして素朴な疑問。

そもそも、心理面と性格の問題で裁量トレードをやめたはず。
じゃぁ、売買システムの開発で、本当に心理面の影響は無いのか!?

売買システム開発していると、t-検定でも必ずしも有意な差異にならない。
なので、各種検証結果データを見て、総合的な判断が必要になってしまう。

しかも「初心者に勘なし」

そして久しぶりに購入した書籍
新版 魔術師たちの心理学  2,940円

お!久しぶりに安い!!! ← 完全に書籍代マヒ状態

やっぱり、いろいろとバイアスがあるみたい。
※「バイアス」とは、先入観とか偏見という意味。

●「トレーディングシステムの開発に影響を及ぼすバイアス」
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・代表的バイアス : 何かのデータに意味があるとの思い込み
・信頼性バイアス : バックテストデータが正しいとの思い込み
・宝くじバイアス : データをいじくる事で自信が増大してしまう
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うーん。今のワシには、宝くじバイアスが大きそうやなぁ。
代表的バイアスってのもあんまり考えた事なかったなぁ。。

●「トレーディングシステムの検証に影響を及ぼすバイアス」
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・自由度バイアス : 変数の個数が増大してしまう
 →これから逃れるには、
  自分のトレード概念の理解を深める事。起こりうる様々なパターンを
  想定するしかないみたい。
・後付説明エラーバイアス:未来データを使ってしまう売買ルール
 →そんな事プログラム組んでて、起こりうるんか???
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この本、書籍名のわりには心理的話題に割いているページ数が意外と少ない。
でも、以下の様な内容が含まれてて結構扱っているテーマの幅が広い

で、読書感想
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この本いい!!安い!!ウマイ!? しかも、読みやすい。。
1.成功のために必要な要素
  ここに、心理的な話とか、目標設定とか書かれている。
  良かったのは、目標設定に関して、トム・バッソというおっさんへのインタビュー。

  この人、かの有名なシュワッガーが「模範的人物」と言ったすごい人みたい。
  著者の色々な質問に、ちゃんと数字を使って答えてくれている
  私は、こういう「数字」にこそ経験というものが現れると思っているので、
  とっても参考に。
  例えば、適正な年率目標とか、1トレード当りのリスクとか、
  許容最大ドローダウンとか。

2.システムの概念化
  システム開発の手順とかトレーディング戦略とか、システム開発に不可欠な要素とか。
  ここもトレードに限らず投資レベルの事まで、結構幅広い概念が網羅されている。

  ちなみに、ここで、初めて初期1Rという概念を知りました!!
  このR値とは、初期リスク額のこと。
  R期待値とは、初期リスクに対してどれぐらいの損益がでたかを初期1Rとの
  比率を元に計算。
  すると、このR期待値がよければ、サイジングロジックを入れたときにいい成績に
  なるってこと

  今までモヤモヤしていたサイジング方式。
  ここでスッキリと。
  #今まで固定サイジングで評価してたのはこの為。

  詳細は後述(【サイジング手法についての個人的な考え方】)

3.システム開発に重要な要素の深堀
  意外にも、トレーディングテクニックが色々書かれている。
  参考になったのは、デブ・ストップと、効率レシオ
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【サイジング手法についての個人的な考え方】
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上記書籍の著者は4つのサイジング方式を紹介していて、
パーセントボラティリティモデルを推奨している。
だけど、1トレード当りのリスクをコントロールできないので、もう一つの
オススメを適用することにする事にしています。

私が適用するのは、パーセントリスクモデル(資金残高固定比率方式)。

つまり、資金残高あたりの1トレード当りの最大リスクの比率を、
発注価格とストップロス価格の差で割ってロット数を計算。

●サイジング例
 資金残高:100万円
 損切りになった場合の最小ロット数(0.1)当りの損失:5000円
 資金残高の最大リスクの比率:1%

 ・計算式
 100万円×1%=1万円
 1万円÷5000円=2
 → 2×0.1=0.2ロット。  

そして、この方式のもう一つのメリット。
ドローダウン時期は、ロット数が減少傾向になるから、最大ドローダウン幅を
縮小させる事ができるし、好調気は複利効果がでる。

じゃあ、ボラティリティがサイジング時に考慮されていないのかというと、
そんな事は無いというのが、今の自分の考え方。

今やろうとしているトレンドフォローシステムの場合、ストップロスを求めるには、
ボラティリティを反映した動的な価格差で計算すべきと思っているので、間接的に
ボラティリティの要素が含まれたサイジングになる

ちなみに、ラルフ・ビンスの資金管理大全」によると、統計的学的には前回の
トレード結果と次のトレード結果との因果関係は無いのが普通とのこと。
(ちなみに、統計学で検証すると、因果関係が判明する事もあったらしい)
なので、マルチンゲール戦略なんてありえない。

サイジング方式決定!!
資金残高固定比率方式にする!!
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で、話を元に戻して。

手持ちのトレーリング手法でどれもダメなら一からアイデアを考えな。。。
そこで登場するのが

「自分のトレード概念の理解を深める事」

確かに、今まで検証した手仕舞い方式、仕掛けとはなんの関係も無い手法。
原点に立ち返り、理論的にいろいろ考えることに。
あと、過去に購入したテクニカル本をもう一度ざーっと読み返す。

そして、すこしいい成績になった売買ルール
【売買ルール】
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・発注
 一目均衡表の三役好転
 現在のAsk/Bidから0.04%のマージンを付けて逆指値で発注
・ストップロス
 発注価格から7期間ATRの3倍
・トレーリング
 過去26バーの高値/安値
・自発的手仕舞い
 スローストキャスティクスによる高値/安値圏入り後の3回ダイバージェンス
 RSIによる失敗したスィングが発生
 以下の全ての条件が満たされた場合
 ・転換線と基準線が逆クロス
 ・遅行線の逆転
 ・終値が雲入り
・その他
 主な時間足:4H足
 サイジング:0.1ロット(1万通貨単位)固定
 評価期間:2001年
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●検証結果
 PF平均:0.97 、 期待値平均:-3.26(US$)

※トレーリング方式の発想「自分のトレード概念の理解を深める事」きっかけ
 一目均衡表で重要な要素に「基準線の向き」というものがあります。
 基準線は過去26バーの高値と安値の中間値。
 例えばロングポジションのとき、過去26バーの安値を割り込むという事は、
 基準線が下に向くという事。
 なので、過去26バーの高値/安値をトレーリングに使う事に。
 
じゃあ、スィーニーの手仕舞い手法を追加しよう!
修正するために、プログラムを何気なく見てみる。



あ”~~


回帰線による手仕舞いのロジック間違えてる!!
しかも、ショートポジションですぐに約定しなければオーダが
キャンセルされるという致命的なミス!!

今まで検証した2つのシステムはなんやったんや!!
過去記事「正しい開発手順って?」で書いた、「機能確認」の重要性を再認識。。

そして、ショックを引きずりつつ、「FXシステムトレード初心者奮闘記」の複数通貨ペア評価時代は、このシステムの改善を試みるのでした。



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