2011/04/21

FXパフォーマンス評価時代 - 「アルゴリズムトレーディング入門」をもとに評価



さて前回は、 無事「ウォークフォワード分析 」工程が完了し、ついに「パフォーマンス評価」工程に入る決断をしたところまで話しました。
今回は、開発のベースにしている書籍アルゴリズムトレーディング入門」のみを基にした、「パフォーマンス評価」をしている様子を書いて見たいと思います。


その前に、アルゴリズムトレーディング入門」に掲載されている、ウォークフォワード分析 」完了までで、判っているハズの事を整理すると。

【ここまでで判っているハズの事】
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1.設計通り機能する。
2.理論通りのパフォーマンスを上げる
3.堅牢性を持つ
4.最適化によってパフォーマンスが向上する
5.いろんな市場で、ウォークフォワード分析で高いパフォーマンスを示した
6.十分な堅牢性を持つため、リアルタイムトレーディングに使える
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正直、上記「2.」は未だもって不明。

これも初心者たるゆえんなのか。。。

すると、こんなHPを発見。。

つまり、戦略を立てる時点で、「基礎分析」という工程が抜けている。。。
要は、設計時の一部工程漏れ。。

あと、上記「5.」で、「高いパフォーマンスを示したか?」は主観的で微妙な状態。
1通過ペアあたり2%のリスクで単純年率が、GBPJPYで1.63%、USDJPYで3.5%。
こうやってみると、GBPJPYは決して高いパフォーマンスではないなぁ。

ともかく、次に本題である、「アルゴリズムトレーディング入門」でのパフォーマンス評価項目を洗い出すと。

【パフォーマンス評価項目】
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1.リスクの大きさ
  異常な寄り付きとか、最小ロット辺りでの最大損失。
  でも、今回の戦略は資金残高の2%のリスクしかとらないので、2%でいいのでは?
  ただ、異常日のスリッページというリスクは残るが、過去データでのテストでは
  不明。。なので、今回は評価対象から外した。
2.他の投資との比較
  別に誰かと競争してるわけじゃないけど、無リスクの定期預金とか、日本国債より十分良い年率で
  あってほしいなぁ。一番いい1年モノ定期預金は執筆時点で0.3%。
3.最大ドローダウンとリスク
  潜在リスクとしては、テスト時の最大ドローダウンか、その倍数(2~3倍)を使う
  のが一般的らしい。そして、潜在リスクと、必要となる投入資金とのバランスを検証。
4.リスク調整済みリターン
  現実的な例として、年率調整済みリターンが50%との記載。
  年率調整済みリターン=年率利益÷(証拠金+リスク)
  ※リスク=実測最大ドローダウン×2
5.リワード・リスク比率
  ガイドラインとしては、3以上。
  リワード・リスク比率=損益÷最大ドローダウン
6.モデル効率
  市場機会をどれくらい利益に変換することができたかどうか。
  つまり、全ての天井と底を上手く捉えた場合の完全利益に対して、
  実際に得た利益の比率。
  正直、何をもって天井/底と捕らえるのか不明。この評価はあきらめる。
7.安定性
  年毎/市場毎にパフォーマンスが安定していること。
  項目は、利益/損失、勝ち/負け、買い/売り、連勝/連敗
  簡単な方法として、何かが一箇所に集中していないかを見る。
  バラつきを見るには、平均、標準偏差、最大/最小が小さい程いい。
8.損益のパターン
  損益/ドローダウンが一様に分布しているかどうか。
  仮に一様でなければ、現在に近づくにつれ、良くなっていればOK。
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で、評価対象は、GBPJPYとUSDJPYでのウォークフォワード期間の検証結果10年分
この二つをマージした手持ち情報は以下。

【ポートフォリオ1:GBPJPY+USDJPY】
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さて、1つづつ評価。

【パフォーマンス評価】
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2.他の投資との比較
  純粋利益/年=純益26,128US$÷10年=2,612US$
  元本5万US$での評価なので、
  純粋単利年率=2,612US$÷5万US$≒5%
  定期預金の0.3%よりかは十分大きい年率。1システムとしては問題なし。
3.最大ドローダウンとリスク
  初期投資金額5万US$に対して、最大ドローダウンは-7,803US$。
  最大ドローダウンを2倍で考えたとすると。
  必要資金=証拠金+リスク(最大ドローダウン×2)
  =証拠金+15,606(US$)
  で、証拠金はどうやって求めよう。。。

  今考えているFX業者のC社では、新規建玉で4%の証拠金が必要。
  1通貨単位を大目に見積もって2US$で、1ロットである10万通貨単位として計算。
  それが2通貨ペアあるのでさらに2倍すると。
  必要証拠金=2US$×10万×2倍×必要証拠金率4%
         =16,000US$
  なので、必要証拠金を計算すると、
  必要証拠金 = 16,000US$+15,606US$
         = 31,606US$

  なので、今考えている5万US$で十分足りているし、1システムという事を考えると、
  準備資金が多すぎるという訳でもない。 なので、問題なし。
4.リスク調整済みリターン
  上記表より、3.98%/年
  ガイドラインらしきものは50%。。。。 ありえへんやろ。。
  「マーケットの魔術師 システムトレーダー編」でのってた見解では、10%はがんばった方。
  どんなに良くても30%。すんごいところだと40%。。。
  まだ1システムだし、これで定期預金と比較しても十分上回る利率。なので、問題なし。
5.リワード・リスク比率
  リワード・リスク比率=損益÷最大ドローダウン
  ≒3.35倍
  ガイドラインの3以上なので、問題なし。
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ここまでは最初の表/図でわかる。
次の二つ「7.安定性」/「8.損益のパターン」については、別途集計をしないと。。


集計するのに
意外と時間がかかった。。。



【「7.安定性」/「8.損益のパターン」の観点】
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●GBPJPY
 ●USDJPY
 
●上記2通貨ペアでのポートフォリオ
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で、これを考察してみると。

【「7.安定性」/「8.損益のパターン」の考察】
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●観点
 何かが一箇所に集中していないかを見るのと、バラつきを見る。
 数字こそ無いものの、ガイドラインとしては、
 ・各数字が一様に分布していれば良い
 ・バラつきがあっても、現在に近づく程、良い傾向を示していれば良い
 ・平均、標準偏差、最大/最小が小さい程いい。
 ・各項目の平均値と最大値を除いた平均値の差異が大きく(※)異なるのは、
  何かが1箇所に固まっている事を意味する。 ※1~2標準偏差

●GBPJPY
 純益も最大ドローダウンも、現在に近づく程、良い傾向を示しているけど、まさに直近の
 2010年は良い傾向だったのが減速の兆し。
 勝率は、2001年/2006年が非常に低いが、他はほぼ安定的。
 最大連勝/最大連敗は、あまりばらつきが無いけど、現在に近づく程、安定的。
 買いと売りの比率はほぼ対等で安定的。

●USDJPY
 純益も最大ドローダウンも、GBPJPYと比較するとばらつきが大きく不安定で、かと言って、現在に
 向けて良い傾向になっている訳でもない。イメージは5年に一度のご褒美相場意外は横ばい気味。
 勝率は比較的安定的。
 最大連勝は比較的安定的だが、最大連敗は不安定だが、現在に近づく程良い傾向になっている
 わけでもない。
 買いと売りの比率はほぼ対等で安定的。

●上記2通貨ペアでのポートフォリオ
 純益のバラつきが大きいが、ドローダウンは時と共に改善傾向。
 勝率はたまに悪化するが、基本的に安定的。
 最大連勝は現在に向けて良い傾向になっているが、最大連敗はたまの悪化はあるものの安定的。
 買いと売りの比率はほぼ対等で安定的。
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さて、それぞれざっくり考察したものの、総評すると。

【総評】
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2007年の「サブプライムローン問題」等の波乱があった時は、ご祝儀相場を取りにいっているけど、それ以外はトントン+α。ドローダウンに対して口座サイズは十分だが、結構気長に続けないと、定期預金を十分上回る利益につながらないから、結構じれったいシステムかも。
近年のドローダウンが改善傾向なのは、ボラティリティが近年向上した結果、ロット数が減少傾向になるからの様な気もする。
トレード数が少ない(4回弱/月程度)且つ、基本ドテンシステムなのでポジション保有期間が長いのがこの不安定さの原因かな。。。
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要は、基本トントンだけど、たまにがっつり。

鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス

的なシステム。





結局この特性が、自分の性格にあってるかどうかなんやけど。。


そして「FXシステムトレード初心者奮闘記」は、アルゴリズムトレーディング入門」の全工程は無事(!?)完了し、「パフォーマンス評価」はセカンド・オピニオンでの評価をする事にしたのでした。
#裏で作りかけのMT4用EAをデモ口座で動かしながら。。。
案の定、一時170pipsの含み益があったポジションは保有したまま、イーブン状態へ。

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