2011/01/30

FX売買システム開発・多市場検証時代 - 仕掛けと手仕舞いの結合(移動平均交差システム2+スィーニ ーの手仕舞い手法)


さて前回は、基本的な移動平均3線交差システム(4-9-18)に、手仕舞い手法を追加して、PFと期待値を向上させたものの、マイナス収支で終わった所まで話しました。
今回は、以前の記事でベストだったもう一つの手仕舞い手法の追加と、スィーニーのMAE/MFE分析による手仕舞いを追加していく様子を書きます。

まずは以前購入した、

わからん!!!
話の流れもわからんし、グラフの凡例間違えてる誤記も多い
本文中に図番/表番でてくるけど、載ってるのはすんごい離れたページ。
Excelの計算式を書いてくれるのはいいが、セル名だけで書かれても、
そのセルに何が入っているのかわからん!!!

読むのに、相当苦労しました。

後で知ったのですが、以下のブログ記事で、要約や正誤表などまとめてくれているので、
この記事を読んでから、本書を読むことを強くオススメします。
このブログのトップページは、本ブログ左下の「システムトレード録」です。
 このブログの存在を先に知っていれば。。。

●本書を要約したブログ記事
 ※それぞれ4ページもある超力作です。

で、「トレーディングシステム入門読書後、ざっくりと印象に残った事
-------------------------
読みにくいけど、いい本でした! 読みにくいけど。。
1.パーセントベースでバックテストでの全トレードを評価する
  パーセントベースの平均損益、標準偏差、尖度、歪度等を分析。
  標準偏差:小さい方がいい
  尖度   :マイナスが好ましい
  歪度   :プラスが好ましい

  確かに、通貨ペア毎に価格帯が違うので、パーセントで標準化して評価する事
  にはすごく納得。

2.スィーニーのMAE/MFE分析
  簡単に言うと、1トレードで、発注~決済までの含み益や含み損の推移を分析する手法。
  この分析手法を用いて、手仕舞いルールを足していって、既存のシステムを改善していく。
  【用語】
  MAE:  最大逆行幅(ポジション保有中の最大の含み損)
  MFE:  最大順行幅(ポジション保有中の最大の含み益)
  ETD:  MFEから、手仕舞いした時までに吐き出した利益
  MAEfe: ポジション保有中の、ある時点でのMFEを基準とした、それまでの最大逆行幅。

  で、トレード毎の上記の値とパーセントベースの損益で散布図とか分布図、
  トレード毎の時系列グラフとか、表計算を駆使して、手仕舞いルールを追加していく。

  【追加される手仕舞いルール】
  ・XX%で損切り価格を計算
  ・トレーリングとして、MFEからXX%差分の価格を計算
  ・Nバー後に手仕舞い
  ・Nバー後にストップロスをブレイク・イーブンに設定
  ・Nバー以降に、終値が回帰線を下回ったら手仕舞い
  ・注文価格からXX%で指値決済
 
  で、これらの手法を使う為にForexTester2用に独自ログ出力のプログラム
  です。集計用のExcelファイルも作りましたよ。。
  ※ほしい方はtwitterのDMで、ほしい旨と送付先メールアドレスを、連絡ください。

  ただ、ボラティリティは変化していくので、本当に堅牢な手法か疑問。

  でも、パーセントベースではなく、新版 魔術師たちの心理学」で提案されている、
  R値(初期リスク)で代用すると有効な様な気もする。
  初期リスク(発注価格-ストップロス)を求めるのに何らかの
  ボラティリティを考慮している前提だと思うけど。

3.フィルタリングの有効性の検証方法
  乱数で評価
  ベンチマーク対象が乱数なのはいいが、評価対象に乱数が入ってくるのは
  どうも好きになれない。結果の差異が乱数によるものなのか、手法を変更
  したものなのかがわからないから。

4.その他のテーマ
  ・パフォーマンスの評価方法
  ・データマイニング例
  ・資金管理・ポートフォリオ構築手法
   正直、理解できていない所が多数。
  ・以前紹介した書籍「ラルフ・ビンスの資金管理大全」でのサイジング手法
   オプティマルfに対する筆者の考え方。
-------------------------

ちなみに、この本きっかけで、独自ログ出力&集計Excelを作った時、
 勝ちトレードの平均バー数÷負けトレードの平均バー数
も計算できる様にしてみました。

これが大きい数字であるほどよいという私個人の考え方
つまり、「損小利大」を価格ベースではなく、ポジション保有時間ベースで評価
してみるという試み。

さて、本題に戻って。
単純移動平均3線交差システムの評価です。

●ドテン評価結果(おさらいですが)
 PF平均:0.73、期待値平均:-11.54(US$)
 
これに、手仕舞い手法の記事で、有効と判定したもう一つの手仕舞い手法を組み合わせていく
そのままでは上手くいかず、結局できたのがコレ

【売買ルール】
---------------------
・発注
 単純移動平均3線交差(4-9-18)で、成行き注文
・ストップロス
 発注価格から1.5%マージンをとった価格
・トレーリング
 パラボリック・SAR(過去10バーの高値/安値をSARとして計算)
・自発的手仕舞い
 ドテン
 スローストキャスティクスによる高値/安値圏入り後の3回ダイバージェンス
 RSIによる失敗したスィングが発生
・その他
 対象通貨ペア:11通貨ペア
 サイジング:0.1ロット(1万通貨単位)固定
 評価期間:2001年
----------------
●評価結果(2001年)
 PF平均:0.86、期待値平均:-0.61(US$)

前回のシステムよりはあかんなぁ。

そして、スィーニーのMAE/MFE分析結果による手仕舞いルールを追加
【売買ルール】
---------------------
・発注
 単純移動平均3線交差(4-9-18)で、Ask/Bidから0.04%のマージン
 で逆指値注文
・ストップロス
 発注価格から1.5%マージンをとった価格
・トレーリング
 パラボリック・SAR(過去10バーの高値/安値をSARとして計算)
・自発的手仕舞い
 ドテン
 スローストキャスティクスによる高値/安値圏入り後の3回ダイバージェンス
 RSIによる失敗したスィングが発生
 約定後40バー後に手仕舞い
 約定後22バー後に終値が回帰線(Y=0.020X)を下回っていれば手仕舞い。
・決済指値
 発注価格の6%
・その他
 対象通貨ペア:11通貨ペア
 サイジング:0.1ロット(1万通貨単位)固定
 評価期間:2001年
----------------
●評価結果(2001年)
 PF平均:1.07、期待値平均:-0.97

ん?? PF平均はプラス収支なのに、期待値平均はマイナス収支

お!そうか! パーセントベースでの合計利益は1.96%やから、価格帯の差が
期待値平均をマイナスにしてるんやな。

そして、2005年、2009年で評価。

●評価結果(2005年)
 PF平均:1.21、期待値平均:2.40
●評価結果(2009年)
 PF平均:1.06、期待値平均:3.14

おおお!!!!
いい感じやん!!!

でも、これってカーブフィッティングじゃないんかなぁ。。。
でも、2001年のデータを元にして値決めたしなぁ。

でも結果に気をよくして、「FXシステムトレード初心者奮闘記」の複数通貨ペア評価時代は、次のシステム開発に進むのでした。



プログラム・ミスがあった事も知らずに。
※回帰線による手仕舞いの箇所

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