2011/04/10

FXウォークフォワード分析時代 - 「旧SmoothMADIシステム」のサイジングを元に戻して評価



さて前回は、 モンテカルロ法 」で3回破産するものの、旧SmoothMADIシステム 」のサイジングを初期資金固定比率方式に変更してのパフォーマンス評価でした。
今回は、サイジングを本来の資金残高固定比率方式に戻して評価した様子を書いてみたいと思います。

さて、そもそもなぜ本来のルールと異なるサイジング方式に変更したのかを振り返ってみる。

以前の記事 のとおり、期間が重複しない様にスキャンする事で、マシン利用時間効率化と最適化期間/WF期間を試行錯誤可能な様にする為。
でもこの方法だと、パフォーマンス評価対象となるWF期間での結果が、そのパラメータセットでの最適化期間の成績次第で、サイジングが影響を受けてしまう。

なので、初期資金固定比率方式にすることでサイジングへの影響を回避することにしていた。
しかも、この方式だと安全サイドに倒れるはず。
(資金残高固定方式ドローダウン時期はロット数が減っていくし、好調気はロット数が増えていくので、いい結果になると想定される)

そして初期資金固定比率方式での最終パフォーマンス結果が、前回記事 
それと、最適化目的関数としては、「悲観的PF(-最大利益)」がベストという所も見えてきた。
なので、以降の評価では目的関数として「悲観的PF(-最大利益)」を使用。
#本当は全部両方やったけど、やっぱり「悲観的PF(-最大利益)」の方が良かった。

じゃあ、今後新システムで「ウォークフォワード分析 」をする際、一番効率的且つ効果的かを、見極めるために、本来のサイジングに戻して再スキャン&評価したのが今回の記事。

元のサイジング方式で試したスキャン方式は以下の2つ。

【スキャン方式】
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1.通貨ペア毎に10年連続
2.通貨ペア毎に2年間毎に5回で10年分
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ただ上記「1.」の場合、全般的に成績がいいパラメータセットが選ばれやすくなってしまうので、結果カーブフィッティング気味になってしまう。なので、本命は上記「2.」。

ここで、ちょっと話がそれるけど、アルゴリズムトレーディング入門」を読み返してみると、適正な最適化期間とWF期間を求めることも、「ウォークフォワード分析 」における成果の一つという事を見逃していた。

という事で、前述のスキャン方式「1.」と「2.」でどの程度がベストとなる最適化期間/WF期間になるかを比較してみた。(2期間平均の最適化方式は除く)

【ベストな最適化期間/WF期間一覧】
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 ※各セル内:左の数字がWF期間、右の数字が最適化期間。いづれも月数。
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利益がそれなりに出るGBPJPYとUSDJPYは一貫した期間になってる!
これはひとつの成果かも。
#ほかの通貨ペアのWFE(ウォークフォワード効率)は、マイナスか数%程度だから、
 あんまり意味ないし。

で、次にGBPJPYとUSDJPYについて、スキャン方式を比較してみると。

【スキャン方式比較】
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予想通りだったのは、本来のサイジングでの10年連続スキャン方式が一番成績がいいこと。
予想外だったのは、初期資金固定比率方式の方が資金残高固定比率方式(2年×5回)よりも、ProfitFactorとRRレシオ(※)がいい結果であったこと。
※RRレシオ:年率÷最大ドローダウン

つまり、厳しめに見れる効率的なスキャン方式は本来のサイジング方式で、2年×5回という結論。

ということで、今度は複数期間による最適化方式を導入して一番いい結果を求めると。

【パフォーマンス評価(2年毎×5回)】
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●対象通過ペアと各期間
 GBPJPY:最適化期間(48ヶ月/48ヶ月)、WF期間(12ヶ月)
 USDJPY:最適化期間(48ヶ月/32ヶ月)、WF期間(12ヶ月)


   ・95%信頼区間下限値の最大値:-1
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さっそくリスクがらみの考察から。

【最大ドローダウンの考察】
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いつも破産してたら嫌なので、色々な考え方で予測される最大ドローダウンを試算してみた。
デモ口座でのリハーサルまでこのシステムで最善を尽くす事もやってみたいので。

●モンテカルロ法
 いつもだったら「モンテカルロ法 」を何千トレードを1万回とするが、あまり厳しすぎる
 と先に進まない。
 ・一旦「マーケットの魔術師 システムトレーダー編」にのっていた数字40トレード×1万回×
  30回を鵜呑みにして実施。 → 最大ドローダウン:17,068US$
 ・今考えているFX業者のデモ期間である90日=3ヶ月で考えると、60トレード×1万回×
  30回だと。 → 最大ドローダウン:19,327US$
●測定値の単純2倍
 結構多くのトップトレーダがやっている方法。
 最大ドローダウン実測値(22,877US$)×2倍=45,754US$
 ウォークフォワード分析から得られるリスクとリワードは、リアルトレーディングの
 パフォーマンスに近い。ウォークフォワード期間毎の最大ドローダウンの平均、
 標準偏差、最大、最小を求める。以下の試算はオリジナルの計算方法。
 ・GBPJPYの場合
  平均:9,490US$、標準偏差:2,623US$、最大値:5,579US$、最小値: 13,086US$
  単純に考えるて、平均+2標準偏差(約95%)が単体でのドローダウンとすると、
  最大ドローダウン= 平均(9,490US$)+2標準偏差(2,623US$×2)=14,736US$
 ・USDJPYの場合
  平均:8,229US$、標準偏差:3,982US$、最大値:3,251US$、最小値: 12,903US$
  最大ドローダウン= 平均(8,229US$)+2標準偏差(3,982US$×2)=16,193US$
  ・両方のドローダウンが同時に来た場合
  最大ドローダウン=14,736US$+16,193US$=30,929US$
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いづれにしても、

当初資金の半分以上の

ドローダウンがある

ということか。。




【1トレードあたりにとるリスクを逆算する】
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リハーサルに向けて現実的な事を考えてみると、1トレードあたりのリスクである2%を減らせば良い事になる。で、許容できる最大ドローダウンを、当初資金の25%で考えたとして、1トレードでとるリスクを計算してみる。

許容最大ドローダウン=5万US$×25%=12,500US$

前述の3つの最大ドローダウンと実測最大ドローダウンを平均した値を使ってみると。

実測値     :22,877US$  
モンテカルロ法:19,327US$
2倍法     :45,754US$
パルド法    :30,929US$
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平均値    :29,721US$

この平均値をベースに1トレードでとるリスクを逆算すると。

1トレード当たりのリスク=2%×12,500US$÷29,721US$=0.84%
              ≒0.8%
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1トレードでとるリスクを減らしたので、必然的にリターンも減るので、想定利益を試算してみると。

【リハーサル期間での想定利益】
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1トレードあたりのリスクを計算したので、今度は想定利益を試算してみた。
この場合、リハーサル期間の3ヶ月で得られる想定利益を年率調整済みリターンから試算すると、
想定利益=初期投資金額(5万US$)
      ×年率調整済みリターン実測値(0.16%)×0.8%÷2%
      ×3ヶ月÷1年
      =8(US$)
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3ヶ月でたった8US$ですか???

マクドのバイト1時間したほうが儲かるやん。


【将来収益を上げる可能性について】
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95%信頼区間下限値の最大値が「-1」という点について。
逆に言うと、最後のトレードでこの数字がプラスであれば、95%の確率で利益が出る事になる。

今回の実測値はマイナスなので、トレードの最後でプラスになる様になるのは、どの程度の信頼度なのかを5%刻みで集計しなおしてみると。

 95%= -12
 90%= - 7
 85%= - 4
 80%= - 1
 75%= + 1

つまり、この戦略が利益をあげると判断した場合、判断が間違えてる可能性が25%あるということ。
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まぁ、総評すると、ダメなものはダメ。

ゴミはゴミ。

マクドのバイトしてた方が生産的。


でもええんや!
まずは、MT4でEA作ってデモ口座でリハーサルするところまでは突っ走るんや!

そして、「FXシステムトレード初心者奮闘記」のウォークフォワード分析 」は、本工程までの振り返りに入ろうとしたのでした。しかし。。。ギャ~~!!!!!!
#ただいまMT4にてプログラム開始中。

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