2011/03/19

FX売買システム多市場多期間最適化時代 - 新最適化手法結果で「多市場多期間最適化」評価すると



さて前回は、 洗い出した最適化手法を比較検証した結果、目的関数として「悲観的PF(-最大利益)」周辺平均を適用する事に決定したところまで話しました。今回は、この目的関数を用いた、「多市場多期間最適化 」を評価する様子を書いてみたいと思います。

さて、改めて最適化手法を変えたことによる再評価観点の整理

【再評価観点】(以前の記事と重複)
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1.通貨ペア全体や過半数のセグメントにわたる「リスク調整済みの平均利益」が
  プラスで、リスクも許容範囲内にあること
2.最適化によって対象通貨ペアの過半数や、過半数の評価期間でパフォーマンスが
  大幅に向上していること。 要は、そもそも最適化の効果があったかどうか。
3.「年率調整済みリターン」が統計学的に有意な向上があったか
  ガイドラインは15%程度。
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まずは、評価対象データ一式。

【評価対象データ(インサンプル)
対象通貨ペア数:14通貨ペア
対象セグメント数:4セグメント(2001年~2008年を2年刻み)

それぞれの観点毎に確認してみた。

【前述「1.」の観点確認】
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観点:通貨ペア全体や過半数のセグメントにわたる「リスク調整済みの平均利益」がプラスで、リスクも許容範囲内にあること。

まず、通貨ペア全体や過半数のセグメントにわたる「リスク調整済みの平均利益」がプラスという点は問題なし。問題はリスク。つまり最大ドローダウンが-45,953US$で、当初資金の約92%というのは許容できるはずがない。

前回は、都合の良い通貨ペアを抜粋して組み合わせる事でエクスポージャを下げて評価したが、堅牢性という観点では不適切な気も。
なので、8%(4通貨ペア×2%)というエクスポージャレベルで全体を評価するために、以下の様に計算式を見直してみた。

リスク=最大ドローダウン(-45,954US$)×(4通貨ペア÷14通貨ペア)
   =13,130US$ → 当初資金(5万US$)の約26%

なんとか20%台をキープ。なのでぎりぎり問題なし。
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【前述「2.」の観点確認】
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観点:対象通貨ペアの過半数や、過半数の評価期間でパフォーマンスが大幅に向上していること。

これは全く問題なし。
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【前述「3.」の観点確認】
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観点:「年率調整済みリターン」が統計学的に有意な向上があったか。ガイドラインは15%程度
最適化前:- 2.48%
最適化後:+ 8.31%
差分  :+10.79ポイント

15%には及ばないが、NG例の7%よりかは大きいという微妙な結果。。。
前回の目的関数「悲観的年率(-最大利益)周辺平均」より2ポイント程悪化。
でも、カーブフィッティングしても意味ないし。。
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うーん。。。。何かがおかしい。
グラフを見ると大幅に改善されている様に見えるんやが。。
1つの通貨ペアが足を引っ張って、判断がおかしくなってるって可能性あるんちゃうか。

そういや、利益テスト数率0%という許しがたい通貨ペアがあったなぁ。


【改めて各観点を再確認】
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最適化で利益テスト数率が0%の通貨ペアを外して評価。
外したのは、CHFJPYのみ。なので評価対象は13通貨ペア。(詳細データは割愛)

●リスクの再計算
 前述と同様、エクスポージャレベルを8%(4通貨ペア×2%)でリスク計算すると。

 リスク=最大ドローダウン(-27,387US$)×(4通貨ペア÷13通貨ペア)
    =8,427US$ → 当初資金(5万US$)の約17%

 →十分満足!

●年率調整済みリターンの差異
 最適化前:- 1.50%
 最適化後:+13.16%
 差分  :+14.66%
 
 →もう、ほぼ15%といってええやろ?
  ほんじゃオッケー!
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という事で、「新SmoothMADIシステム 」の「多市場多期間最適化 」は今度こそ完了!
最適化手法精査してみてよかった!
CHFJPYが諸悪の根源やったとは。。。










システムが諸悪の根源ちゃうんかい!

という話もありますが。


そして、次回は多市場多期間最適化 」工程での新SmoothMADIシステム 」と「旧SmoothMADIシステム 」の堅牢性対決に向かうのでした。

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